屋根塗装の耐用年数
屋根の塗り替え理由?

屋根の方が塗料の耐用年数が短くなる
外壁で使われる塗料と屋根で使われる塗料は、同じ素材でも耐用年数が異なります。
外壁よりも、陽や雨の影響をダイレクトに受けやすい屋根の方が耐用年数が短くなる点は、意外と盲点になっていることも。
また昨今で普及している記事でも外壁と屋根の耐用年数が同じ場合が多いため、注意が必要です。
知識として事前に身に着けることで、自宅にあった屋根の塗料材がより見つけやすくなります。
屋根塗料の耐用年数は樹脂の違いで変わる
屋根塗料の耐用年数は、塗料の原料となる樹脂の違いによって変わります。
どんな塗料を選ぶかにより次の耐用年数が変わるので、塗り替えの際には塗料の選択がとても重要です。
よって耐用年数が長いほど、次の塗り替え時期を先延ばしできる期待が持てます。
屋根塗料における耐用年数とは
屋根塗装における耐用年数とは、屋根に塗布した塗料の効果や効能が発揮されている期間のことで、塗膜が劣化する前までの期間をいいます。
耐用年数は塗料を選ぶ上で価格と共に非常に大切な要素といわれています。
しかし塗装面の状態や建物周囲の環境などによって多少の違いが生じるため、耐用年数に保証があるわけではありません。
塗料の耐用年数
アクリル塗料
アクリル塗料の魅力のひとつとして挙げられるのは、費用が安く抑えられる点や、発色が良く、鮮やかな色合いにできる点です。
乾燥が早く短期間での施工が可能なので、素人のDIYでよく使われています。
発色の良い画期的な塗料として、発売当初は人気を集め普及していきましたが、その後数々の塗料材が登場し、現在では需要が低くなってしまっています。
原因としては、価格が安い反面紫外線に弱く、耐用年数が短いため、近年では屋根や外壁の塗装に使われることはほぼありません。

ウレタン塗料
密着性に優れ防汚性や施工性が高いため、一時期人気の高い塗料でした。
ウレタン樹脂を用いた塗料は、柔軟性があり、塗装した素材との密着度が高いのが特徴です。
また、光沢がほかの塗料よりも強く、塗装面は艶のある仕上がりになります。
また、ウレタン塗料が木材・塩ビ素材・鉄など幅広い下地に塗装可能な点も人気だった背景にあるようです。
しかし、より耐用年数が長持ちするシリコン塗料との価格差が狭まり、現在では使用頻度が徐々に減少しています。

シリコン塗料
シリコン塗料は、樹脂を主成分にシリコンを使用した塗料のことです。
600℃前後でも耐えられる耐熱性、塗膜が高く撥水(はっすい)性がある耐水性、さらに酸性雨や強風に強い耐候性が特徴です。
また、汚れが落ちやすく、艶が映えるのもシリコン塗料のメリットと言えます。
また透湿性にも優れているので、塗膜のはがれや建物内部の結露を防ぐ効果もあり、藻やカビの発生防止になります。
コストパフォーマンスが高いため、現在最も使用頻度が高い塗料です。

光触媒
光触媒は、セルフクリーニング機能と抗菌作用を持っていて、一般的な塗料よりも耐用年数が長い類にはいる塗料です。
太陽光で汚れを浮かせ雨で洗い流す効果があるため、メンテナンス性に優れています。
空気浄化機能があり、地球環境にやさしい塗料として注目されるようになりました。
しかし、費用面に着目すると、コストパフォーマンスに関してはあまり良くなく、価格が高めなのがネックと言えます。

フッ素塗料
フッ素塗料の最大の魅力として、密着性が高く紫外線にも強いので、色あせしにくい点が挙げられます。
また防藻性、防カビ性も兼ね備えているので、塗料の中では耐用年数が最も長い部類に属します。
そのため、一度施工をするとメンテナンス費用をカットできる見込みがあるのもメリットとして挙げられるのではないでしょうか。
一方で価格が高いため、戸建て住宅での使用頻度は高くありません。
また、ツヤあり塗料しか選べない点や、塗膜が固い故割れやすいといったデメリットもあります。

オススメの屋根塗料
コスパの高いシリコン塗料がおすすめ
耐用年数でいえば10年~15年程度のシリコン塗料がオススメです。
また、コスパも非常によく、一般家庭の方でどの塗料にするか迷われている場合におすすめです。
現在屋根塗装にはシリコン塗料がもっとも多く普及していますが、それなりの以下の理由が挙げられます。
費用対効果の面で有利
塗り替えの際には足場などの仮設費用がかかります。
耐用年数が低い安価な塗料を使用した場合でも、同じ期間に何度も塗り替えるため、結果として割高になってしまいます。
また耐用年数が15年以上の高価な塗料を使用しても、外壁やコーキングなどほかの部分が先に劣化します。
そして、屋根の塗膜が劣化する前に足場を掛けて改修工事を行う必要性が生じ、あまりメリットにはなりません。
屋根と他の部分が同時期に改修時期を迎えるようにすることがメンテナンス費用を削減するポイントです。
商品のラインナップが豊富
耐用年数が10~15年の塗料は、各塗料メーカーからさまざまな商品が市場に出ていて、信頼性の高い塗料が数多くあります。
20年以上の高耐候塗料もありますが、採用実績がまだ多くないので信頼性が高いとはいえず、推奨しにくいのが現状です。
また、先に説明したように屋根の塗料を選ぶ上では、屋根と外壁を同じタイミングで塗り替えるように計画することが重要です。
しかし屋根は外壁よりも紫外線の影響を受けやすいため、傷みやすくなります。
外壁と屋根に同じグレードの塗料を使っても屋根の方が先に劣化してしまうので、この点を考慮して屋根塗料にはより耐用年数が長い塗料を使用することが大切です。
劣化症状
色あせ、つや引け
紫外線を浴び続けることが原因で発生する症状です。
建物の美観を損なうだけでなく、撥水性がなくなっているため屋根材に雨水が浸み込みやすくなります。

こけや藻の発生
塗膜が劣化して防水機能が損なわれると、水分を吸収してこけや藻が目立つ様になります。
野地板と呼ばれる屋根の下地材が腐食する原因にもなるので、軽視できません。

チョーキング現象
外壁を触って手に白い粉が付いたら、チョーキング現象が起こっています。
チョーキングは外壁の経年劣化や施工不良によって発生します。
塗料の防水機能が損なわれているため、早めに外壁を塗りなおしてください。

撥水性の低下
屋根の塗膜の撥水性が低下すると、水分を吸収してやがてさまざまな不具合が発生する様になります。

ひび割れ
水分を含んだ屋根材が膨張・収縮を繰り返すことで発生します。
塗膜の保護機能が低下しているサインです。
地震などの影響でひび割れが発生するケースもありますが、そのまま放置しておくと雨漏りの原因になります。

サビや腐食
屋根の金属製の付属部材のさびや腐食を放置しておくと、雨漏りの原因になる恐れがあります。
